飲食業界の職場改善の実態は?
長時間労働、少ない休日など、ブラック企業が多いと指摘されることもある飲食業界において、人材不足を補うための働き方革命が進んでいます。
飲食業界は収入が低い、キツイといったイメージがありますが、近年、飲食業界では職場改善に取り組む店舗が増えています。
週末や休日、夜間も営業する飲食店は、休みが少なく勤務時間が長いのが一般的でした。
このため深夜までの勤務や、週1回の休日など、労働時間が長くなる傾向があります。
しかし最近は、週休2日制を導入する店舗が増えています。
労働時間についても改善が進んでおり、深夜営業は希望者だけを採用したり、1日8時間勤務のシフト制にしたり、終業時間を11時30分に短縮して従業員が終電で帰れるようするなど、色々な工夫がされているのです。
給与面に関しても、以前は独立までの修行期間として安い給与で働かされる店舗が多かったのですが、今ではそのような給与体制では優秀な人材が集まりません。
このため、他の業種と同レベルの給与条件での雇用や、昇給・昇進制度を設ける店舗が増えているのです。
また、店舗の売り上げが上がると給与にプラスされるインセンティブ制を導入する会社もあります。
このほかにもアルバイトから正社員への採用システムを取り入れている会社や、主婦などが働きやすいように短時間労働の人でも正社員として採用する制度を導入する会社も増えてきました。
即戦力となる人材の育成を
これまで料理人の世界は、とても厳しいものされてきました。
一人前の板前になるためには、長い修業が必要で、最初のうちは追い回しとして掃除や皿洗い、雑用などしか任せてもらえず、調理に携われないことは常識とされていました。
しかし、最近ではこのような傾向も薄れています。
人手不足から、即戦力となる人材を育てる必要があるので、新人でも早い時期から調理に関われるお店が増えてきいるのです。
少子高齢化もあり、飲食店の人材確保は課題が山積しています。
しかし、自店舗で長く働いてもらうためには、さまざまな工夫や改革を進めていかなければいけません。
働きやすい環境を整える、男女差をなくす、実績を評価してスタッフのモチベーションを上げるなど、どうすれば長く働いてもらうのかを、常に考えなければ、優秀な人材を確保できない時代になったといえます。
チェーン店など大手企業では、このように働き方改革が進んでいますが、個人経営の店舗などでは、まだまだ従来通りの雇用環境を続けているところもあります。
飲食店業界の人材不足を改善するためには、まずは経営者が意識改革を行い、これまでの常識に囚われない手法を考え出す必要があるのではないでしょうか。
どうすれば従業員が喜んで働いてくれるのかを考え、実践することが、飲食業界の更なる活性化につながるに違いありません。