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美味しいそばを打つそば職人

そば

そば職人になるのに必要な資格

そばを専門に提供している食事処は昔から多く、特にこの季節になると年越しそば用に予約注文を懇意のそば屋にするという人も少なくありません。
そんなそば屋ですが、お店をそばを打ちお客さんに提供するのに必ず必要な資格と言うのは実はありません。
どんな素人でも、お店を持てばその日からそば屋を名乗れるのがそばの世界なのです。

ただ、持っておいた方がいい資格と言うのは存在します。
それは「調理師」と「食品衛生責任者」の資格です。
特に食品衛生責任者というのは、食品を扱う店舗で営業許可を取る場合に施設ごとに資格保有者が1名以上在籍している必要がある資格です。
また、名前がよく似た資格に「食品衛生管理者」というものがありますが、これは粉乳や食肉、放射線照射食品などを扱う工場で必要となる資格となっており、異なるものなので注意しましょう。

食品衛生責任者の資格の取得方法は様々ですが、主な取得方法は各自治体で開催される食品衛生責任者養成講習会に参加し受講する方法です。
ただ、調理師の免許を持っていればこの講習会に参加しなくても食品衛生責任者になることが可能です。
軽食屋であるそば屋の場合、先述の通り専用の資格などが無いため素人でもお店を持つことができます。
そんな中、調理師免許を持った職人が打ったそばとなるとそれだけで箔が付きますので、調理師免許取得を目標にするのも一つのルートです。

そばは繊細な食材

素人でもそばは作れますが、美味しいそばとなると話は別です。
特に既に麺の状態まで出来上がっているものを仕入れるのではなく、そば粉から仕入れ手打ちしたものを提供する場合、そば粉の割合やどこからそば粉を仕入れるのかなどでガラリと味が変わります。
例えば、日本で有名なそばの仕入れ先と言えば、北海道や茨城県、山形県などが挙げられます。
北海道産の「ほろみのり」は甘く上品な味、茨城県産の「常陸秋そば」は風味豊か、山形県産のそばはその地形から甘みが強い……など、そば粉の仕入れ一つでそのお店のそばがどんなそばなのか変わってくるのです。
これらのそば粉に対し、つなぎの小麦粉をどれだけ使用するのかというのも重要なポイントです。
有名な十割そばは小麦粉を使用していないそば粉10割のそばのことですが、一般的には二八そば、九割そばと、小麦粉が使用されているそばがほとんどです。

そのほか、どこの水を使うのか、つゆに使う出汁は何からとるのかなど、独自の味を追求しようとしたらどこまでもこだわれるのがそばという食べ物です。
さらにそばは繊細な食べ物なので、その年の収穫具合により味が微細に変化することもあります。
特別な資格は何も要りませんが、「美味しいそば」を打てる職人になることを目指したら納得が行くまで何年もそばに向き合う必要があるのがそば職人と言う仕事なんです。