氷の製造工の仕事内容
氷の製造工は、製氷工場に勤務してさまざまな形状やサイズの氷を目的に合わせて作る作業をします。
製氷というと夏のイメージが強いですが、実際のところ一年中ニーズがある仕事で、さまざまな要望に合わせて氷を作っていきます。
まず、かき氷や飲料水に入れるためのアイスを含めた食用の氷を作る仕事があります。
また、冷凍・冷蔵食品の保存のために使用する、保冷用氷を作るという仕事も通年必要となるものです。
さらには、ホテルやレストランなどで展示される、氷彫刻用の特殊な氷を製造することもあります。
このように氷と一口に言っても、そのまま食用にするものから保存用、アート用と幅広い種類があり、それぞれに応じた作業法で氷を作っていくわけです。
氷の製造工が行う作業としては、原料となる水から不純物を取り除くための濾過作業をします。
純水となった状態の水を、氷缶と呼ばれる容器に入れて冷却します。
冷却は一般的に、塩化カルシウム溶液で満たされたプールの中にこの氷缶を沈めておくことによってなされます。
この冷却期間中には、均等に凍っていくように氷缶の中に空気を送って、内部を攪拌させます。
濾過した純水でも凍っていく段階で不純物が集まっていきますので、途中でその不純物を除去してきれいな氷に仕上げていきます。
冷却期間が過ぎると、氷缶を取り出してから15度前後と少し温度が高い水が入ったプールに入れます。
こうすることで表面の氷が溶けますので、氷缶の中から氷を取り出すことができます。
完成した氷は低い温度に保たれた貯氷庫に保管しておき、注文が入る度に取り出して発送します。
そのままブロックの状態で送ることもありますが、要望に応じて機械を使って適切なサイズに切り出して送ることが多いです。
こうした作業の中で、氷の製造工は製造ラインの一部を担うことになります。
他にも、完成した氷の梱包作業や使用する機械の点検やメンテナンスといった仕事をすることもあります。
氷の製造工として働く魅力
氷は食用であれアート用であれ、毎日の生活や人々の楽しみのために大きな役割を果たしています。
自分が作った氷がさまざまな場所で活用されているのを実感できるのは、やりがいを与えるものとなります。
また、技術を駆使して純度の高い美しい氷を作れたと思える時は、職人としての喜びを感じられるはずです。
氷の製造工になるために必要な資格やスキルはある?
氷の製造工に必須の資格やスキルはありません。
そのため未経験であっても入職することはでき、工場に勤め始めてから作業のやり方や氷についての専門知識を覚えていくことができます。
ただし、10kg以上ある氷を運んだり、寒い保冷庫と外を行き来したりすることが多いので、体力が求められる仕事であるという点は覚えておきましょう。