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伝統的な製法で塩を作る塩づくり職人

塩

塩づくり職人の需要

島国で四方を海に囲まれているのが日本と言う国なので、塩には事欠かないと思われがちです。
ですが実際は、海水から採れる塩は数パーセントしかない上に、高温多湿の日本の気候では塩の製造に天日以上のエネルギーが必要となるため大変な労力が伴われてきました。
今でこそ科学技術が発展し機械で精製できるようになったものの、昔はかなりの重労働作業として知られていた職業が塩職人です。

また日本では、1997年に塩専売法が廃止され様々な企業やブランドが塩づくりに参入できるようになった歴史を持っています。
その結果、職人が手掛けた自然重視の塩が再び注目を集め、職人としての需要が増え始めているのも現代の塩づくり業界の特徴となっています。

塩づくり職人になるには

塩づくり職人になるのに、特別必要な資格はありません。
職人の元で塩づくりの製法を学び、自身の技術として身につけられたら塩づくりの職人になることができます。
自身でブランドを立ち上げ全国的に有名な塩にしたいと考えているのであれば、経済や経営について学び流通に関するノウハウも得られると強みになるでしょう。
それ以外にも、農学や食物学などを学んでおけば現場で役立つ知識が身につきます。
また、職人として独立する前にどこかの食品会社や調味料の開発を行っている企業に就職して経験を積むことができれば、独立後の助けになる可能性も高くなります。

実際に職人の元で学びを得たい場合、塩づくりは地域と密着した仕事でもあるので、塩づくりの盛んな地域で行われている就業サポートなどを利用するのも一つの手段です。
中には観光の一環で塩づくりを体験できる現場などもありますので、そのような場所で経験をして事前に学んでおくと就職にも有利にはたらくでしょう。

塩づくり職人の業務内容

実際の塩づくり職人の一日のスケジュールは、朝5時頃から始まることが多いです。
というのも、海水を天日干しにするのが必要な工程となってくるので、朝日が出る前から準備を開始するのです。
塩が精製されるまで夏なら1か月、冬なら2~3か月ほど必要となるため、各工程に合わせた釜での煮詰め作業も行っていきます。
この窯で煮詰める作業ですが、ピーク時には室温が50度近くなるため何時間も連続で作業するのが難しい工程となります。
適宜休憩を挟みながら作業を進め、夕方~夜に作業を終えるのが一般的です。

海水を運ぶなど重労働も多く、高温な場所で作業を行うため特に夏場などはスタミナも必要とされるのが塩づくり職人と言う仕事です。
地域に密着しながら自然を相手に行う仕事であるうえ、人の生活に欠かせない食材を作るという仕事なので、厳しくもやりがいのある仕事と評する職人の多い業界となっています。