和食界で活躍できる職業
どんな時代でも、数ある魚の中で常に人気上位に食い込むほど絶品とされているのが「ふぐ」です。
しかしふぐは人を殺せるほどの猛毒を持っている魚のため、専門の「ふぐ調理師免許」を持っている人が調理したものでないと店舗で提供してはいけないという決まりがあります。
このふぐ調理師免許は取得までに3年から5年ほどの実務年月を要する難関調理師免許と言われており、取得している調理師も多いわけではありません。
そのため、特にふぐを扱うことの多い和食屋や料亭などでふぐ調理師は非常に重宝される存在となっています。
特にふぐが多く獲れる山口県や石川県、北海道などで和食屋の調理師を目指している場合、このふぐ調理師免許が取得できれば就職はかなり有利になります。
ふぐ調理師の年収・仕事内容
ふぐ調理師の免許を取得している調理師の場合、下積みを十分に積んでいると判断され厨房を任されることが多くあります。
そのため年収も調理師免許のみを持っている調理師より平均的に高く、400万から600万、中には年収1000万円を超える調理師もいます。
高い年収の人の場合、雇用されて働いているという人もいますが、チェーン店などで修業を積み独立して自身の店を持ったという人も少なくありません。
その場合、店舗の運営や厨房の管理、食材の仕入れ、店員の雇用や営業など、ふぐ調理師としての仕事以外の業務も請け負う必要があります。
これらの業務を行わず、ふぐ調理師としての業務のみを行いながら自身の店を持ちたいという場合、これら経理や総務、接客統括などの業務を行える人物を雇用できれば解決できます。
地域によってはふぐを提供できるお店なども稀になってきますので、それらを加味し運営を行えれば高い年収を得られる夢のある仕事と言えます。
毒のある食材を調理しお客様に提供するため責任がかなり重い業務となりますが、その分のリターンも見込める仕事がふぐ調理師なのです。
ふぐ調理師の取得試験
ふぐ調理師の免許資格は、各都道府県で運用が行われています。
費用ですが、東京都の場合2019年現在で19,700円の受験料、合格した際4,800円の免許発行手数料が必要です。
東京都食品衛生協会から過去問題集や教本が発売されていますので、それらを購入する場合は合計して5,000円ほどの費用が追加で必要となります。
年度によってスケジュールは異なりますが、おおよそ4月から願書の受付を開始し、7月～8月に試験を行うことが多くあります。
調理師免許の保有、ふぐ調理師の元での2年以上の実務などの受験条件を満たしたうえで、学科試験と実技試験の両方に合格できればふぐ調理師の免許が発行されます。
これらの試験内容は各都道府県によって変わってきますので、ふぐ調理師免許の試験を受けたいと考えている場合、各都道府県の受験条件などをチェックするところから始めましょう。