食に関する職業に興味がある人に向けた情報サイト

味噌職人

味噌職人とは

味噌は非常に歴史の古い食品で、弥生時代にはすでにその原型が作られていたという記録も残っています。
大豆を原料とした中国の「醤(しょう)」が、時代を経るにつれて現在の味噌の形になってきたという説も多く、日本の食卓には欠かせない食材として愛をされています。
日本食離れによって、味噌があまり使われなくなった時代もありましたが、自然食品の良さが見直されている現在、味噌には再びスポットライトがあたっています。

味噌には、米と大豆、塩を原料として作られる「米味噌」の他に、「麦味噌」や「豆味噌」などの種類があります。
国内で生産されている味噌の約80%は米味噌で、麦味噌は主に中国・四国・九州地方、豆味噌は中京地方をメインにして生産されています。
味噌はさらに、味によって「甘味噌」「甘口味噌」「辛口味噌」の3タイプに分けられます。

味噌を作る人は味噌職人と呼ばれており、個人的に少量の味噌を作る他、味噌を製造するメーカーに就職する人もいます。
味噌は室温や湿度などといった環境によって出来具合が左右されますので、いい味噌職人になるためには理論だけではなくて、熟練したカンも必要になります。
逆に言えば、同じ量の材料を使っても、作るたびに出来上がりが違うのが味噌作りの魅力ということになります。

味噌職人の仕事内容

味噌を作るためには、仕込みや熟成などの作業が必要になりますので、1日で簡単に味噌が作れるわけではもちろんありません。
作業は早朝から始まり、大豆を茹でるところから始まります。
大豆を茹でたら丹念につぶし、塩と糀(こうじ)を混ぜこんで容器に仕込みます。
仕込んだ味噌の熟成には半年ほどかかりますので、辛抱強い性格であることも味噌職人には大切です。

現在、味噌作りをしている職人の多くは代々味噌作りに従事してきたケースが多く、味噌の原材料となる糀や味噌自体の作り方にしても、マニュアルがあるわけではなく、口伝えで教えられてきたという部分があります。
ですから、味噌作りとは全く縁のない家業の家に育った人は、何年もかけてじっくりと作り方を習得する心構えを持つことが大切です。

味噌職人になるために必要な資格やスキル

味噌職人になるために特に必要な資格やスキルはありません。
味噌職人になりたいという熱意さえあれば、誰でもなることができます。

将来プロとして活躍していきたいと言うのであれば、「みそ製造技能士」の資格を取っておくのも悪くありません。
みそ製造技能士の試験問題は中央職業能力開発協会が作成しており、試験自体は都道府県職業能力開発協会が実施しています。
みそ製造技能士には1級と2級があり、2級試験を受けるためには2年以上の実務経験が必要となります。